Inkscapeは、無料で利用できる高機能なベクターグラフィック描画ソフトウェアです。豊富なツールを使って簡単に図形や線を描くことができ、プロフェッショナルなデザインも可能です。
Adobe Illustratorも同じくベクターグラフィックソフトとして広く知られていますが、Inkscapeはその機能においても遜色がなく、かつ無料で利用できるという大きな利点があります。このため、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となっています。
ベクター形式で作成されたデータは、拡大縮小しても画質が劣化しないのが特徴です。これに対して、PhotoshopやGIMPで作成されるビットマップ形式のデータは、拡大すると画質が荒くなります。Inkscapeは、図形や線の描画に優れている一方で、写真の編集にはあまり向いていません(ただし、簡単なトリミングなどは可能です)。ファイルはSVG形式で保存でき、PNGでの書き出しも可能です。
Inkscapeのインストール方法
以下は、Windows 10にInkscapeをインストールする手順です。手順は執筆時点でのものとなりますので、公式サイトの更新などによって変わる可能性があります。ご了承ください。
1. Inkscapeのダウンロード
まず、Inkscapeの公式サイトにアクセスし、トップページの「ダウンロード」ボタンをクリックします。
2. OSの選択
ダウンロードページに移動したら、使用しているパソコンのOSを選択します。Inkscapeは「Linux」、「Windows」、「MacOS」に対応しています。ここではWindows 10を選択します。
3. 32bitか64bitの選択
次に、自分のパソコンが32bitか64bitかを確認し、適切なバージョンを選びます。確認方法は、Windows 10の場合「設定」→「システム」→「詳細情報」で「システムの種類」をチェックします。
4. インストーラーの拡張子を選択
ダウンロードするインストーラーファイルの形式を選びます。「exe」、「msi」、「7zip」の中から選べますが、ここでは「exe」を選択しました。クリックするとダウンロードが開始されます。
5. インストールの実行
ダウンロードが完了したら、インストーラーファイルを開き、Windowsのユーザーアカウント制御のポップアップで「デバイスへの変更を許可」するか尋ねられるので「はい」を選んで続行します。その後、画面の指示に従ってインストールを進めます。
ライセンス条件に同意し、インストールディレクトリやショートカットの設定を確認して、インストールを完了させます。
自動保存の設定
Inkscapeを使い始める前に、まず自動保存の設定を行っておくことをおすすめします。Inkscapeは、時折内部エラーで強制終了することがあるため、データの損失を防ぐために自動保存機能を有効にしておくと安心です。
1. 自動保存の有効化
Inkscapeの設定メニューを開き、「出入力」→「自動保存」の項目に進み、「自動保存を有効にする」にチェックを入れます。
2. 保存先の変更
自動保存されたファイルの保存先をわかりやすい場所に変更しておきましょう。必要に応じて、自動保存の間隔や保存ファイルの上限も設定できます。
設定を変更したらInkscapeを再起動して、設定が反映されるようにします。
まとめ
デザイナーやイラストレーター向けにはAdobe Illustratorが選ばれることが多いですが、Inkscapeは無料で使える優れた選択肢です。操作性に若干の違いはあるものの、プロセスはほぼ共通であり、十分な機能を備えています。Inkscapeを活用して、さまざまなデザインを楽しんでみてください。